外国人のための医療相談窓口と医療英語

東京都が運営している外国人のための医療相談窓口と関連のガイドブックを紹介するとともに、医療通訳の際に役立つ医療英語について以下にまとめます。

 

1. 外国人のお客様が体調を崩した時の対処

1.1 外国語で電話対応する相談窓口

お客様に下記の窓口に電話で相談するようにアドバイスをすることが最良です。

■東京都保健医療情報センター・外国語による相談窓口 03-5285-8181 毎日9:00~20:00

医療知識の乏しいガイドが思いつきで対処することは危険です。専門家に相談すべきです。

 

1.2 医療機関受診のための多言語ガイドブック

東京都は、東京を訪れる外国人の方が安心して医療機関を受診するための多言語ガイドブックを提供しています。

(東京都福祉保健局のHP参照)

それは、外国人旅行者の目線で「すぐに役立つ」小冊子とするため、次の特徴があります。

(1) 英語、中国語、韓国語、タイ語、スペイン語、日本語で記載(各言語6ページの分量で簡潔な内容)

(2) 医療機関の探し方・受信の仕方を案内(外国語対応可能な相談窓口や受信時の注意点など)

(3) 症状等を指で示せるコミュニケーションツール付き

このガイドブックの必要なページを印刷して携帯すると便利です。

 

2. 医療通訳の心構え

日本語ができない外国人が日本で病気になった時は心細いはずです。医療通訳者はそのような外国人の患者と日本人の医療従事者の間でコミュニケーションをとるのですが、以下のことを理解しておく必要があります。

 (1)一般の通訳と医療通訳の違い

一般の通訳は、話し手に成り代わって話した通りに話す。

医療通訳は、患者の意をくんで通訳。

 (2)難しい言葉は使わない。

患者に分かりやすい言葉を使い、信頼されることが大事

 (3)アドバイスする

自分の状況を説明できない患者の意をくんでアドバイスすることも必要。

宗教や家族環境を説明すべき時は、患者に断ってから、説明する。

 (4)立場をわきまえる

医療現場はドクターが中心である。

 (5)プライベートマター

個人情報(携帯の番号など)は教えない。

自分が健康時のみ医療通訳をする。(体調を壊すケースがある)

 

3. 医療英語

以下に新型コロナウィルス関連の医療通訳に役立つ英語についてまとめます。

ワクチン接種  vaccine inoculation

抗体      antibody 抗体

世界的な感染  pandemic

アルコール消毒剤 alcohol-based sanitizer

感染した    infected

ウィルスに汚染される be tainted with a virus

と濃厚接触している be in close contact with

伝染      transmission

感染症     contagious disease

大流行     outbreak

個人用防護具  personal protective equipment (PPE)

(ガウン、マスク、ゴーグル等)

フェイスシールド face shield

処置      procedure

医療従事者   healthcare professional

緊急救援隊員  first responder

新型コロナ   novel coronavirus disease

(WHOが命名した正式名称  Covid-19: CoronaVirus Disease 2019)

 

4. 参考

(1) 医療通訳テキスト

(2) 東京都福祉保健局のHP

 

(3) NHKテキスト 実践ビジネス英語 2020年10月号